今回の旅の舞台は長野県伊那市長谷杉島から三峰川に沿って南下する三峰川林道だ。
この林道は既にトリKさんと山神さんが走破済みだが、途中にある吊橋を使って
対岸の浦地区から入れないだろうか?と、以前話題になっていた。山神さん記事
その時のお二人の結論は、歩きでは行けるかもしれないがバイクでは無理、というものであった。
この通称”裏(浦)ルートその③”についてネットで探したところ、あるブログに歩きで吊橋まで行けた記事を見つけ、
新兵器導入の暁に挑もうと計画しており、今回の挑戦となった。
まずは浦地区まで車で乗り込み適当な場所にデポした後、新兵器”SUR-RON (サーロン)”に乗り換える。
三峰川へ下りる道(左の緑の道)に入る。 入口→ 地理院地図 googlemap
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途中太めの倒木がありセローでは無理だが、サーロンではなんとかくぐれた。
やがて開けた場所に出るがそこから先は道が無い。
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地理院地図を見ると途中から東へ向きを変えているのだがそのような分岐は無い。
一旦下車し、以前見たブログの記憶を思い出しながらまずは歩きで行き先を確かめる。
しかしながら道の痕跡は見当たらず、吊橋の方向へ見当を付けながら
林の中を手探りで進むと、やがて吊橋が見えてきた。
ここまでの斜面の傾斜はさほどきつくないので何とか行けるだろうと判断し下車地点まで戻る。
サーロンに乗ってさきほど歩きで確かめた道筋を辿り始めるが序盤の倒木で思いのほか苦労する。
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こんな感じの倒木をかいくぐって進んできた。
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石垣などの遺構が残りこの辺りにはかつて集落があったと思わせる。
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やがて最大の難所に着いた。傾斜は急だが地面はある程度しっかりしているので
ラインを踏み外さないように慎重に通過する。
一瞬サーロンを落としそうになったが何とか踏ん張り事なきを得る・・・
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その後は通れそうなラインを見定めながら、GPSで方向を確認しつつ下る。
所々傾斜が急な箇所があり、この時点で元には戻れないと実感する。
振り返って見た光景。もはやどこをどう抜けてきたのか自分でも分からないw
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やがて川が見えてきた。
そして例の橋を確認する。
まだまだなかなかの傾斜が続く。
ここまで来ると傾斜も緩やかになり橋への到達を確信する。
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ついに橋に到着!
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ここで渡り始める前に下流方向への護岸道路を進んでみる。
水路に到着。木の板が渡してあり強度的にサーロンで渡れそうだが
その先の崩落がひどく、探索を断念し引き返す。
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橋のたもとの広場にて。ここが実に爽快だった。
格言「橋は下から眺めるべし」w
浸食が進みそのうちこの広場は無くなってしまうかもしれない。
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満を持して橋を渡る。
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4輪のトレッド幅に板が敷いてあるので車でも問題なさそうだ。
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先ほどのスタート地点を眺める。
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無事対岸へ到達。不思議なのは橋の周りがやけにきれいだということ。
誰も通らないのでもっと雑草が生い茂っていてもおかしくないはずだが。
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やけに広いこの場所はかつての浦森林鉄道_戸草停車場跡だ。(関連記事)
あの森の中を抜けてきた。
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つづら折りを登り念願の三峰川林道本線へ入る。
なおカーブミラー付近に0km起点標柱があるらしい。(関連記事)
実に爽快な道だ。
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田代高原への分岐。トリKさんや林道浪漫さんが抜けてきた道だ。
この時点でバッテリー残80%。
この分岐は右折する。
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発電所への道なので実にフラットだ。ただ大雨の翌日ということで
水たまりが多い。フロントフェンダーが無いのでモロに水をかぶりドロドロになる。
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小崩落があり若干の土木作業でラインを確保する。
まだ発電所手前なので最近崩落したばかりなのだろう。
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小瀬戸ノ湯付近。
対岸には何も見当たらない。googleSV写真では橋があったようだ。
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三峰川第2発電所。今までネットで見てきた光景が広がると興奮が高まる。
左端の標柱には10 1/2 km と表示されている。例の橋から10.5kmということだ。
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そしてその先、ここは川に道を持っていかれ消滅していた場所だ。
なんとこんなにきれいに復旧されている!
正直ここがどうなっているのか最大の関心事だったのだが、あまりにあっけなく通過できてしまった。
発電所の先なのにこれだけ大掛かりに修復するのはなぜなのか?
何としてでも車でこの先に行きたい目的があるのだろう・・・
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そしておなじみ大曲ゲートに到着。サーロンならあともう一人いれば
脇の岩を通過できそうだ。そもそもこの先は大荒れのようだけど。
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この時点でバッテリー残50%。
さてこの後はバッテリー残量との戦いとなる。そのせいで写真はこの2枚のみw
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田代高原への分岐で残23%。当初は復旧したらしい柏木ルートを考えていたが、
崩落があった場合、ジエンドとなるリスクを考え、杉島ゲートを何とか乗り越える方を選ぶ。
やがてゲートが見えてきたが何やら様子が記憶と違う。
これを近くで見た時は愕然とし、最初はここから歩きで車まで戻ることを考えたが、
脇が目に留まりすかさず確認する。
写真ではかなり危なっかしく見えるが踏み慣らされており、これは何とか行けるか・・・
いや最初の山の斜面をクリアできたのだからイケル、と自分に言い聞かせていざトライ。
途中ハンドルバーが電柱に当たり、怖いが傾けて何とか通過、ギリギリセーフ!
↓タイヤ跡はサーロンの足跡。右側斜面の下に道が見えるがこれは前述の林鉄軌道跡らしい。
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この写真で分かるのだが、サーロンの後ろちょうど木の杭があるところで
舗装が新しくなっている。1つ前の写真で山からの水を流す水路が設置されている。
おそらく大きな土砂流出で道路とゲートが破損し、法面擁壁のある今の位置に新設したと考えられる。
↓こちらは旧ゲート。(写真は山神さんブログより勝手に拝借w)
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いづれにしても脇は以前のゲートよりも甘くなったのはありがたい。
そのうちまた厳しくなるかもしれないが・・・
そうなった時、水路まで下りて水流を渡り斜面を2,3人で引き上げる方法も無くはない、かな。
さてこの時点でバッテリー残15%。下りで温存しつつもざんざ亭前の橋を渡ってから
登りとなり、みるみるうちに残量低下。
デポ地に着いたときはなんと残1%! 意外とギリギリまでキッチリ動くのだなと関心しつつも
サーロン最大の弱点について思い知らされた。
・・・
新兵器”SUR-RON (サーロン) Light Bee X”のご紹介:
従来からの林道探索車セローは近場はよいものの、遠地遠征にはいささか辛いものがあり
かねてよりトランポ作戦を考えていた。
しかしガソリン車は匂いの問題や積み下ろしや固定、各部メンテなどでいろいろと面倒であり
それを一挙に解決してくれるのがこの”サーロン”であった。
細かいスペックについてはネット情報を見て頂くこととして、実際に使用した感想は以下:
・パワーは体感として150ccクラスといったところ。ただモーターの特性として
発進時から最大パワーを発揮できるので、低速時から素早く加速でき、
また常にパワーが一定なのでコントロールしやすい。
・シフトチェンジが無いので走りに集中できる。(セローはこれが面倒)
・左手がリヤブレーキなので両足が常にフリー、悪路走破が楽
・最高速度はPOWERモードで75km/h、エコモードで45km/h
エコモードはエンブレが軽くなるので下りに使うと距離を伸ばせる。
・とにかく軽い。(のでゲート○○に有効w)
そして最大の弱点:
・走行可能距離は40~50km。常に残量を気にしながらの走行となる。
これについては、こういうものだと割り切って上手く使っていくしかない。
以上により、自分はデメリットよりもメリットの方がはるかに大きいので導入を決意した。
最後に、トリKさんブログにサーロンをコメントしてくださったザビエルさん、ありがとうございました。
そのコメントがきっかけでサーロンを知り導入に至りましたm(_ _)m
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当ブログをご覧いただいた方へ:
自分もここを走ってみて楽しかった等の感想や、記事内容について最近の情報をお持ちの方は、
ぜひコメントにてお知らせください。
コメント一覧
ムンクさん
夢中になれる愛馬獲得しましたね。
今回のような場所は最適ですよ!
最悪 担げますからWW
よたろうさん
はい!これで今まで行けなかったところへ探索できます。
会津探索もサーロンで行きますよ!
確かにバイクよりかは軽いですが、自転車の様に見えても結構重いです。
倒木乗り越えるのにバイクでは無理な担ぎでクリアできるのはメリットです。
あとはエンジン音が無いので、山の雰囲気を純粋に体感でき新感覚です。
三峰川林道裏ルート、てっきりバイクで行かれたものだと思ってましたが
新兵器だったのですね
その新兵器でもやはり厳しかったのがよくわかります
到底これは逆コースは無理ですよねw
新兵器、問題はやっぱりバッテリー
以前ここで同行された方々は予備バッテリーをお持ちでした
ちなみにわたくしも持ってますが”中華製”バッテリーはやはりダメですねw
発電所先が治ったことには驚きです
あの先に進むのは釣り師か登山者以外いないのですが
治したこと自体がすごく不思議です
こんなことに税金を使っていいのでしょうか?w
問題のゲート脇、見る限りモンキーなら大丈夫ですが
一人だと川側に落ちそうで怖いですね
やはり二人いたほうが安心かと・・・
わたくしも真似してリベンジですが
ご紹介いただいたブログのあの林鉄の幻の橋が見たいのですよね
近いうちにこちらを参考にチャレンジしたいと思います
三峰川林道制覇おめでとうございます^^
>山神さん
お初のコメントありがとうございます!
はい、三峰川林道側から渡って行った場合、しばらくは登れますが
そのうち傾斜がキツくなり歩きでないと厳しくなります。
バッテリーはスピードが上がるほど消費が早まるので
今回の様なフラットダートだとあっという間に無くなりますが
低速での探索では結構もつのではないか、と期待しておりますw
サーロン本体は中華製ですがバッテリーはPanasonic製のセルが
使用されているので一応安心かな・・・
発電所先は崩落後、ほどなくして河原への迂回路ができたことから
やはりこの先に発電所関係者の要件があるのかもしれません。
三峰川電力(株)さん、結構儲かっているのかな?w
ゲート脇はハンドル狭いモンキーなら大丈夫でしょう。
万一コケても下の林鉄跡から水路の方へリカバリ可能かと。
林鉄のアーチ橋、あの人生崖っぷち(物理)さんも行かれてますから
ぜひTRYしてください!
こんにちは。
吊橋までの道ですが、写真を見ているとたまに道らしき痕跡が見えます
やっぱり浦地区から普通に下りていたのでしょうか、ずいぶんと昔は。
吊橋はもっと老朽化していると思いましたが、意外に綺麗ですね
まさか使われてないでしょうね(ー_ー;)
例の崩落はやはり事業用にきちんと直したのでしょうね
大曲ゲートより奥には砂防ダムや伐採区域も見られます
最初は観光対策かなと思ったのですが、元々観光で車両は入れませんしね
杉島ゲートの脇はサーロンの威力を発揮しました
仮に本当に抜けられない場合、バイクだと引き返す場面ですが、
電動だと事情が違いますね。次回は予備を背負っていってください
サーロン!いい相棒を手に入れましたね
私は値段を見て即諦めました
軽さもそうですが、静かなのがいいですね
エンジンは心強い味方なのですが、
山の中では音がウザくなる時があります
写真は構図がとても好みで楽しい(*^^*)
たまに遠景が入っていたり、見たいところが写っていて嬉しいです
>トリKさん
毎度です。
はい、地理院地図に載っているくらいですから
ある時点までは存在していたのでしょうね。
写真は程度の良い場所なので、それ以外の難所は撮る余裕がありませんでしたよw
そうなんですよあの吊橋、本体含めて周囲もやけに綺麗なんです。
地元民が時々何かの集まりで利用しているのでしょうか?
崩落修復はそうですね、上流の状態が維持できていないと
下流に影響が出るでしょうからね。
ゲートは運が良かったですが今後事前下見を忘れないようにします。
予備バッテリーは価格的にまた重さ10kgなので諦めました・・・
サーロンは清水の舞台から飛び降りる決断でしたよ!
モンキーが2台くらい買えそうですからねw
特有のモーター音はしますが
タイヤがダートを噛む音とか鮮明に聞こえるので楽しいです。
あとはハイカーに出会っても自転車だと誤魔化せるというメリットも。
セローだと2速で引っ張る場面が多く、あの悲鳴のようなエンジン音が
精神的にすこし辛いのです・・・
写真は気に入っていただけて良かったです!
多分トリKさんブログの見過ぎて似てきているのでしょうw
解像度が荒いのがありましたら大目に見てやってください~
毎度です
刺激を受けて早速例のアーチ橋に行ってまいりました
このゲート、やはり独りでトライするのは無理でした
よってトボトボ歩いて行くことにw
電動を持ってゆくべきだったと後悔する羽目になりましたw
詳しくは拙ブログにて・・・
>山神さん
毎度です。
お~、早速行かれたのですね!
さすが山神さん、フットワークが軽い!
ゲートは困難でしたかー、残念っ。
ミソスリ林道のようにヌルっと行けなかったのですねw
歩きだと結構大変だったと思います。
でも目的は果たせたようでよかったですね!
おお!サーロン導入去れたのですね!
しかし、ここまで遠征するとは、凄い行動力ですね~(^^)/
Kさんの行動力もトンでも無いですがw
>ザビエルさん
お初のコメントありがとうございます! お待ちしておりましたw
はい、サーロンはザビエルさんコメントのおかげです。
骨折により約1年導入遅れましたがこれから頑張りますよ!
あの橋の対岸はずっと気になっていたので
サーロン一発目に必ず行くと決めていましたw
行動力の高さではトリKさんに敵いませんが
バイクでは通れなさそうな所を集中的に攻めて行こうと思っております!
今後とも何か面白そうな情報ありましたら宜しくお願い致します。
そろそろ皆様コメント見てないと思うので・・・
こっそり(笑)
万が一を考えて、市販のポータブルバッテリーを持って行くのはどうでしょうか?
内の会社で使用してるのは、重量1.6kgA4サイズで100ボルト出力、40,000mAhの容量です。
林道のガタガタ道を押して歩くのは想像以上に辛いので・・・
充電器持参が前提ですが・・・参考まで
探査地としては、大河原峠から雨池経由の麦草峠下に出るルートとか、園原から神坂峠に至る東山道ルートや、あの南アルプスど真ん中の北沢峠とか(ヤバイかな?)
中津川の黒井沢から上矢作町を抜けるルートとか、下呂の鞍掛峠から大滝村ルートを考えてみました(^^)/
深く考えていませんので、クソザビエルの戯言程度で~(笑)
>ザビエルさん
連コメ毎度です!
アドバイスありがとうございます! ためになる情報でした。
ポータブル電源/モバイルバッテリーは考えていました。
例えば午前中にバッテリー全て使ってしまった場合、午後はどこにも行けなくなる、
しかしポータブルがあれば移動中に充電可能、とかですね。
万一林道内でバッテリー切れになると辛いと思いますので、備えあれば憂いなしですね。
ルート選考ありがとうございます!
>大河原峠から雨池・・・トリKさんが走れなかった南側エリアですよね!
>園原から神坂峠・・・以前考えたことがあります、舗装ですけどね。
>北沢峠・・・あそこはチャリでも捕まるみたいですからね。
夜中にゲート越えて林道内で夜を明かし、日の出とともに行動開始、
始発バスが来る前に退出する、なんて作戦を本気で考えたこともありましたw
>黒井沢から上矢作町・・・そう!それこの前地図見てて検討してましたよ。
トリKさんが尊敬するSCOOPDOGさんの360°写真があるので
サーロンで行けないかなと思ってるのです・・・
>鞍掛峠から大滝村ルート・・・はい、山神さんからオススメされたあの林道ですねー
ここ入るのは難易度低そうなのですが確かに電欠が心配です。
皆さんだいたい行きたい所は同じようですねW
行けそうなところからボチボチ攻めてみたいと思います!
園原から神坂峠 直接万岳荘に出るルートです。
↑
幻の東山道の方です。南側の舗装路の方では有りませんよん。
最近は誰も行って無いようですね・・・
ゲートが有りますが、サーロンならチョロい!
>ザビエルさん
すみません、私の早とちりでした。
ザビエルさんが舗装を勧めるわけないですよねw
にしてもこの東山道って完全に登山道じゃないですか!
さすがのサーロンでもこれは無理ですねー。
むしろそれよりも気になったのは、南木曽町のR256の南側の林道です。
昔 林道浪漫さんが行かれてますが今はどうなのかな?
東山道、昔はバイクで普通に行けたんですけどね~(笑)
今は登山道扱い・・・
南木曽なら近いので、林道ロマンさんの記事リンク貼って下されば、見に行きますよん(^^)/
>ザビエルさん
昔はバイクで普通に行けたー!? あの道を本当ですか!すごいですね~
もしかするとザビエルさん、相当な腕前を持っておられるのでは・・・
調べたら途中に鋼鉄製の鳥居みたいなのが連続してる所があり
ここで物理的に通行不可だなと思いました。
林道ロマンさんの記事は以下です、結構昔のですけど。
http://rindou-roman.travel.coocan.jp/reports/repo86_special/repo86-3.htm
南蘭林道というやつですけど(脇は空いているかどうか)
ご存知の通りこの辺りゲート地獄なので特殊車両が必要だと思いますw